線維筋痛症とは?|月島キャピタルクリニック・内科・外科・冷えと痛みの漢方外来・巻き爪・小児予防接種・健康診断

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線維筋痛症(FM)とは?

線維筋痛症 (FM)は関節、筋肉、腱など身体の広範な部位に慢性の「痛み」と「こわばり」が見られることを主症状とし、身体の明確な部位に圧痛を認める以外、診察所見ならびに一般的な臨床検査成績に異常がなく、治療抵抗性であり、強い疲労・倦怠感、眼や口の乾燥感、不眠や抑うつ気分など多彩な身体的訴えがみられ、中年以降の女性に好発する原因不明のリウマチ類似の病気です。

線維筋痛症は1990年アメリカリウマチ学会による病気の概念と定義、分類(診断)基準が提案され一般的となりました。アメリカでは一般人口の約2%(女性3.4%、男性0.5%)に線維筋痛症がみられるとされ、我が国では2011年にインターネット調査が行われ、我が国の線維筋痛症の有病率は人口当たり2.1%と推計されました。

性差は圧倒的に女性が優位で、わが国では男:女=1:5(欧米1:8~9)です。平均年齢は51.5±16.9(11~84)歳で、年齢とともに増加し、55~65歳代にピークを認めます。

明らかな直接的な遺伝的関係はなく、むしろ環境的な要因が重要であるとされています。診断は、全身的な慢性(3ヶ月以上)疼痛に加えて、少なくとも特徴的身体の部位18ヶ所のうち11ヶ所以上に圧痛点を確認することからなります。

線維筋痛症の原因は現状では明らかではありません。

線維筋痛症は原因不明のため、現状では残念ながら根治療法はありません。

薬物療法は抗うつ薬と抗けいれん(てんかん)薬がしばしば使用される主要薬剤です。抗うつ薬は三環系抗うつ薬よりは副作用の少ないセロトニン選択的再取込阻害薬(SSRI)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)やノルアドレナリン作動性選択的セロトニン作動薬(NaSSA)などがもっぱら使用されます。

一方、抗けいれん(てんかん)薬は従来薬ではなく、ガバペンチン(商品名ガバペン)、プレガバリン(商品名リリカ)などの新規型の抗けいれん(てんかん)薬の効果が注目されており、我が国でも2011年6月から保険適応となり薬物療法としての第一選択薬とされています。リリカ®は少量から漸増法で投与され、発症早期症例の効果はかなり期待できますが、長期難治性で経過した症例では効果は限定的です。

一方、急性の痛みなどにしばしば使われる消炎鎮痛薬(非ステロイド抗炎症薬; NSAIDs)や副腎皮質ステロイドは無効であり、オピオイド系薬物(麻薬性、非麻薬性)も効果が限定的ですが、そのなかでトラマドール塩酸塩・アセトアミノフェン(商品名トラムセット)は慢性疼痛薬として線維筋痛症でもしばしば使用されます。

日本リウマチ財団HP「リウマチ情報センター」より抜粋

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